ありがとう
寝起きの私の顔を見て母が、顔が険しいから顔の運動でもして直しなさいという。
言われて見てみると確かに不服そうな顔をしている。
嫌なことがあったとしても、人様にそんな顔見せたりするのは失礼だからね、と言う。
しばらくして、顔を気持ち動かしてみた私の顔を見て、そうそう、良くなったと嬉しそうにする。
ある時は、不満に気を取られているのは感謝する気持ちが足りないからだ。感謝の気持ちを忘れずに過ごしなさい、と言う。
そうかも、と思う。
悲しいかな、物事の捉え方も若い頃に比べたら変わったし、人相も変わって来た。
それは、日々の出来事の捉え方の積み重ねが不平や不満に満ちたものになってしまっているせいだと思う。情けない。
取ってつけたようだけれど、ありがとう探しを思い出した時にしてる。
道がすいていて、ヒヤヒヤしないで自転車に乗れて、ありがとう。
隣に座った赤ちゃんがかわいい笑顔をむけてくれて、ありがとう。
母に自分のことで注意を受けて、そんな風に私のことを気にかけてくれて、ありがとう。
そんな風に。
すると、荒んだ気持ちも少し和らいで、気分が変わっていくのが分かる。
ああ、いい方向に行っている、と思える。
大事なことだなぁと思う。