日々の出来事

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ハワーズ・エンド


眺めのいい部屋は大好きな映画で、手元に置き、何度も観ているけれど、そういえばモーリスもハワーズ・エンドも観たことがなかった。
ということで、今日はそのハワーズ・エンドを観た。


見応えはあったけれど、眺めのいい部屋のようなスカッとする印象ではなく、なんとも言えない気持ちが残る映画だった。多分、眺めのいい部屋よりも主人公たちが年齢を重ねているからだろう。


昔、眺めのいい部屋には続きがあると言うことを知り、探しだしてフォースターの短編を読んだことがある。
眺めのいい部屋で結ばれた二人は、決してその後幸せに幸せには暮らしていない、そんな短編だったように思う。でも、キラキラとした若い二人の、一瞬の大きな決断を切り取った眺めのいい部屋は、やっぱり大好きな映画だと思う。


眺めのいい部屋もハワーズ・エンドも、階級や財産やそういうものを飛び越えるようなものとして、心の存在が描かれ、愛が描かれている。ハッピーエンドにならなくても、そういう存在がある、ということが描かれていた。若い私は、その点に強く強く惹かれたのだと思う。人と人を繋ぐ物は、心と愛なのだと。それは大きな障壁をも飛び越える力があるのだと。


眺めの良い部屋のルーシーやジョージのように、いずれその心も愛も昔の輝きを無くすような時が来るのだろうか?輝きを保ち続けることは難しいのだろうか?私自身、その答えはまだ見つかっていない。でも私はできたら、その一瞬の輝きがその後もその人の人生をあたため、照らし続けてくれる物であってほしいと思っている。


機会があったら今度はモーリスを観てみたい。

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